2014年10月16日木曜日

釜山での取材が記事になりました!

(※2014年10月22日 ハンギョレ新聞記事の取材写真と改訂版URLをのせました)

釜山ではハンギョレ新聞、国際新聞社から取材を受けました。ハンギョレ新聞ではチョン・ジウク映画評論家との対談を行ないました。掲載記事を紹介します。











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ハンギョレ新聞 2014年10月10日掲載

「福島で歌う子守歌」
海南友子監督と評論家チョン・ジウクの対談


http://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/659063.html




2011年3月11日。桜が満開の日本・福島を、巨大な津波が襲った。一瞬で廃墟になった。福島原子力発電所(原発)もあった。政府は「原発に問題はない」という発表ばかりを繰り返した。一方で原発半径20kmを統制区域に設定し、メディアの接近を封じた。フリーのドキュメンタリー監督である海南友子は、原発統制区域の取材を始めた。原発から半径20km、10km、7km、4km…。強い余震が続く中、にわかに近づいてきた死の恐怖を感じつつ、彼女は原発の危険性をカメラに収める。決然たる意志で挑むもつかの間。40歳を迎えても子どもに恵まれなかった彼女は、4週目になる命が宿っていることを知る。燃料棒が溶け落ちる最悪の状況下、セシウムの粉塵を吸い込んでいた海南は、お腹の中の子どもに果てしない罪 責感を覚える。彼女は子どもを守れるのだろうか―。

釜山国際映画祭のワイドアングル部門に招待された「福島で歌う子守歌」は、海南友子がセルフドキュメンタリー形式でつくった映画。去る7日、映画評論家のチョン・ジウクが釜山にて彼女と対談した。


チョン・ジウク(以下、チョン):海南監督は、去る2009年に環境問題を扱った「ビューティフル・アイランズ」が釜山国際映画祭で紹介され、韓国に知られることになった。今回コンペティション部門で招聘されたのは格別の意味があると思うのだが。

海南友子(以下、海南):日本で原発をテーマにした作品をつくろうと思えば、様々な壁に阻まれざるを得ない。3年の間ずいぶん悩み苦しみながらつくった作品だ。釜山に招聘された時は飛び上がるほど嬉しかったし、とりわけワールドプレミア(全世界最初の公開)で上映されたことが、ますます嬉しかった。今のところは福島原発は安全というのが政府の立場だ。私が主役の映画ではあるが、多くの母親たちが原発から子どもを安全 に守るにはどうしたらいいかと苦悩していることを知らせたかった

チョン:原発問題を映画にしようと思った理由は? 妊娠が分かったことでドキュメンタリーの方向性も変わったと思うのだが。

海南:はじめは原発付近に住んでいた人たちを取材したくて現地に入った。原発の半径4kmまで近づいたため、放射能に晒された。ところがその後妊娠を知り、被害者を取材する立場ではなく、自分自身が被害者となった。妊娠の事実を知ってとてもつらかった。子どもをどう守ればいいのかと悩む中で、多くの母親たちが私と同じように子どもを守るため全てを捨てて安全な場所へ移住していることを知った。その殆どは弱者であり、政府やメディアに向かって声を上げられない人 たちだ。それで方向性を変え、セルフドキュメンタリー形式にして、自分やそうした母親たちの話を撮ることにした。


チョン:映画を作る前に本を出し、ソーシャルファンディングを通じて制作費を集めたと聞いている。その理由は?


海南:取材の過程で200人以上の母親たちに出会い、とにかく何かしなければと思ったのだが、映画にはあまりに多くの制作費がかかる。そこでブックレットを発行した。まだ原発被害地域から移住できない母親たちのために、どこにどのように行けばいいのかや、安全な食べ物を確保する方法などの情報を共有しようと考えた。その後映画を制作したのだが、大きな会社のバックアップを得るのは難しかった。私と同じ考え を持った人々に支えられ、150万円(1500万ウォン)のファンディングを得た。


チョン:各シーンごとにどこまで描いて見せるのかさじ加減が難しかったと思うのだが、なにを基準にしたのか? 実際、帝王切開のシーンはショッキングでもあった。

海南:津波は日本人にとってあまりに辛くショッキングな記憶だ。(映画に登場したものよりも)はるかにひどい映像もあるのだが、人々はそれを見たがらない。音を聞いただけで当時の場面が脳裏にいやおうなく浮かんでしまう暗転にして音だけを聞かせる手法で記憶を思い起こさせるほうが、ずっと効果的だと思った。出産シーンは、これが最後のセルフドキュメンタリーということで、誕生のシーンまで赤裸々に 描き出すことにした。気分を害したのなら申し訳ない。

チョン:被爆に対する恐怖が強かったと思うが、問題がないという政府の言葉を信じるか。

海南:日本政府が発表したことは全部嘘だった。韓国のセウォル号事件と同じだ。だからこそジャーナリストが行って取材しなければならないと思った。大手メディアの記者は統制されて入れなかったのだが、フリーランサーは制約が少なかった。その分責任感は大きかった。

チョン:(黄色いリボンのバッジを取り出し)これはセウォル号の惨事で亡くなった人々を追悼する意味でつけるリボンだ。あなたのために用意した。


海南:(涙ぐみながら)テレビでセウォル号事件を見 ながら、せめて一人でも救助されて欲しいと祈っていた。私がつくったドキュメンタリーが母としての思いから発せられたのと同様、セウォル号についても同じ母としてとても胸が痛かった。隠蔽する政府の態度も似かよっていて、腹立たしかった。(バッジを胸につけ)ありがたくいただきたい。


チョン:福島原発事件以降、原発を扱った作品が日本にあふれている。こなれていない作品も多くみうけられるが。


海南:未熟な作品もあると思う。未熟だったにしても、被害当時者たちが撮った作品には大きな意味がある。例えば、牧場を運営していた人が自分の牛が被爆し死んでいくシーンを撮った作品がある。未熟だが立派な作品だ。


チョン:韓国には現在23の原子力発電所があり、政府は2024年までに原発を42基に増やし、世界3位の原子力大国になると公言している。先に危険な事態に直面した人間として、韓国に助言をするとしたら?


海南:原発はなくならなければならない。釜山に近い古里原発は大変古く、去年には事故も起きた。日本には50基の原発がある。日本は火山が多く、世界中の地震の10%が発生する国だ。福島原発事故を見ればいい。事故が起きれば原発から半径数十キロは人の住めない場所に様変わりする。それが自分の故郷だとしたら、どれほど悲しく辛いことか。韓国は日本を他山の石としなければならない。原発が効率的などというのは、嘘だ。経済面だけをとって見ても、放射能 廃棄物は10万年間管理しなければならないのだ。私の子どもは無事に生まれ、2歳になった。でも、放射能に晒された結果が10年後、20年後、または50年後に現れるかもしれない。死ぬまで安心できない。これが原発の恐怖なのだ。

釜山/まとめ:ユ・ソニ記者



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国際新聞
2014年10 月11日掲載


'후쿠시마에서 부르는 자장가.'(카나토모코 감독긿일본) 이번 부산국제영화제 화제작 중 하나다. 2011년 3월 동일본 대지진으로 인한 후쿠시마 원전 사고를 촬영하던 감독이 뒤늦게 자신이 임신 중이었다는 사실을 깨닫는 내용이다. 영화는 후쿠시마 원전 사고로 고통받고, 고향을 떠나야만 했던 사람들의 모습을 통해 일본 정부와, 후쿠시마 원전을 관리한 도쿄 전력을 비판한다. 카나 감독이 임신 중이었다는 사실을 깨닫게되면서 영화의 흐름은 바뀐다. 원전의 위험성을 고발하던 '전사'는 아이를 걱정하는 '엄마'가 된다. 8일 오후 3시 영화의전당 비프힐에서 카나 감독을 만났다. 
'lullaby under nuclear sky(Director Kana Tomoko, Japan). one of the biggest issues at Biff this year. The film shows a documentary director who realize herself pregnant after filming in the restrict area in Fukushima. The director criticizes Japan's government and Tokyo Electronics that was in the charge of maintaining Fukushima nuclear powerplant by showing the image of evacuees and suffering people. In the film, when Kana realizes herself pregnant, the movie focuses on Kana being a Mother rather than being a warrior who stood up against nuclear Fukushima nuclear power plant incident. I met director Kana at BIFFHILL, Busan Cinema Centre at 3pm on 8th October


-처음 후쿠시마에 들어갈 때는 임신 사실을 몰랐나?
▶ 몰랐다. 방사능 노출 때문인지 몸이 좋지 않아 병원에 갔을 때 알게 됐다. 아기는 건강하다. 방사선 피폭 후유증이 -10~20년 후에 나타날 수도 있는데, 그렇지 않기만을 기도할 뿐이다.
DIdnt you know you are pregnant when you were going in to Fukushima
▶I didnt know. I knew it when i went to hospital for recovering from bad condition that might caused by radiation exposure. the baby is fine. the radiation after effect might be happening about 10~20 years later. I pray not to.

- 후쿠시마 원전 이야기를 한 이유가 있나?
▶ 후쿠시마 원전 1호기가 지어진 해에 태어났다. 40년 동안 후쿠시마 원전 1호기가 만들어내는 전기로 살아왔다. 책임감을 느낀다. 
- Why did you want to say about Fukushima nuclear powerplant?
▶I was born in the year the Fukushima powerplant was built. I have lived 40 years depending on the electricity generated by Fukushima P.P

- 한국에서는 후쿠시마 원전 사고의 심각성을 잘 모르는 것 같다.
▶ 단적인 예로, 사고 지역에서 갑상선 암에 걸린 아이들이 103명이나 나타났다.(8월 말 기준) 원전 사고 이전에 비해 20배 넘게 증가했다. 체르노빌 사태 때와 비슷한 현상이다. 음식도 문제다. 최근 일본의 많은 엄마들은 후쿠시마에서 멀리 떨어진 규슈의 농산물을 직접 주문해 먹는다.
- In my Idea, korean people do not know much about the Fukushima incident.
▶ For example, after the accident, there are 103 kids suffering cancer.(August). It is more than 20times bigger figure compare to before the accident. It reminds me of Chernovyl. Food is also a trouble. Mothers in Japan order their food from Kushu province, be causr Kushu is quite far from Fukushima.   

- 작품 초반에 후쿠시마 원전 1호기가 사용기한을 넘어서 운영되고 있다고 지적한다. 부산 인근에도 비슷한 사례(고리원전 1호기)가 있는 것 알고 있나.
▶알고 있다. 후쿠시마 원전 사고 이후 인근 30㎞는 사람이 살 수 없는 땅이 됐다. 고리 원전에서 사고가 나면 해운대, 자갈치 까지도 영향을 미칠 것이다. 그 땅이 쌓아온 역사와 문화가 한순간에 사라질 것이다.
- At the start of the film, you point out that Fukushima P.P has gone beyond its valid period. do you know there are quite similar case(Gori P.P) in Busan?
▶I know. after the Fukushima accident, not only fukushima and around area in 30km became ghost city. If Gori accident happens, the radiation will reach Haeundae and even Jagalchi. All the history and culture the land cultivated will be abandoned. 

- 작품에 정부를 향한 불신이 묻어난다. 
▶ 일본 정부는 사고 직후 국민들에게 안전하다고 거짓말을 했다. 제대로 된 언론 보도도 찾기 힘들었다. 한국의 세월호 참사 때와 비슷한 상황 아닌가? 정부는 우리를 보호해주지 않는다. 한국이나 일본이나. 
-In the film, you dont really believe your government.
▶Japan government lied to its people. I couldnt even find any proper media reports. like Sewo. the government never protect us. nor in Japan neither in Korea. 

- 상영을 막는다던지, 외압은 없었나?
▶독립작품이라 그런지 외압은 없었다. 예전에 제2차 세계대전 때 일본군이 중국에서 저지른 만행에 관한 작품을 찍을 때는 우익 세력에게 엄청난 항의를 받은 적이 있다. 한 잡지에선 '카나 토모코 욕하기' 코너를 만들 정도였다.(웃음) 공동체상영 등을 프로모터와 논의 중이다.
- No pressures from government?
▶there was no pressure, bacause the film wa independence movie. once, I made a film about savages of japanese army in China during the second world war, I was sometimes insulted by right wing groups in Japan. there was a magazine made a section [insulting Kana Tomoko] (laugh). I'm looking for the way to show 'lullaby under nuclear sky'

Joonyong, Kim記者

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海南監督から釜山レポートが届きました!











親愛なる皆様
釜山国際映画祭で新作を正式出品してきました!
参加するのは2009年の『ビューティフルアイランズ』以来
2度目ですが、心地よい緊張感と興奮につつまれた幸福な時間とともに
ワールドプレミア上映を終えました。

自分の想いを問いかけながら
作品として人に見ていただくという作業は
時に孤独で、時に絶望の縁に立たされながら
それでもやり続けたいという
ひとつに想いに導かれて走り続けています。

特に今回は、
40歳を過ぎて初めて授かった
2歳児を育てながらの映画製作で
時間のやりくりに本当に悩みながらの3年間でした。

釜山は私の人生を変えてくれた場所。
2009年に『ビューティフルアイランズ』がここで正式出品され
是枝裕和EPと一緒にワールドプレミア上映を果たし、
そして恵比寿ガーデンシネマはじめ、全国、米国、韓国にまで
公開を拡げてくれた場所です。
そこに、再び立ってドキュメンタリーへの情熱を
問い直すいい機会になりました。
ここから、またあらたな旅立ちをしようと決意しています。

日本で公開できるのは少し先になりますが
そのときには、また改めて皆様に
お知らせさせていただきたいと思いますので
どうか暖かいご支援をお願いいたします。



海南友子






2014年9月24日水曜日

ビューティフルアイランズ上映会が始まります!

今秋より、大阪シアタースペックにてビューティフルアイランズの上映が始まります!



監督 海南友子 2009年

解説

これは、気候変動に揺れる3つの島を見つめたドキュメンタリー作品だ。
南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島。
主人公は、機構も文化も異なる島で、それぞれ故郷を愛して生きる人々の“普通の暮らし”だ。絆を育む祭りや、代々受け継がれてきた伝統工芸、食文化、水辺のゆったりとした生活。そのどれもが、今、気候変動によって失われる危機にある。
ナレーションやBGMをあえて入れない構成を選んだのは、彼らのありのままの暮らしのずばらしさを見てもらうため。
波や風の音に耳を澄ませ、子供たちの輝く笑顔とともに、近い未来に消えてしまうかもしれない文化を味わう。気候変動がさらに深刻化になったとき、私たちはそれを失うかもしれない。
私たちにできる第一歩はまずは知ることだ。

釜山国際映画祭にてアジア映画基金AND賞 受賞。日・米・韓で劇場公開。


関西圏の方、ぜひこの機会にご覧ください。

http://theaterspec.com/movie_beautifuli


10月上映スケジュール>
1025日(土)16:00
1027日(月)15:00
1030日(木)10:00

※ 以降のスケジュールはシアタースペックのウエブサイト、または海南公式サイトカレンダーにてご確認ください。

料金:大人 : 1,500円 /小人 : 800円(現金のみ、当日受付にてご購入ください。)

場所:大阪市北区太融寺町5-15  梅田イーストビル8階


お問い合わせ:050-3530-8996 受付(月~土 10:00~18:00)

2014年9月6日土曜日

「50人の言葉展」に海南監督が参加!



「こころ豊かな暮らし」がテーマの「50人の言葉展」に

海南監督がコメントを寄せました。

ルミネがこれまでの環境活動を通じて、

大切にしたいと考えた「こころ豊かな暮らし」をテーマに、展示イベント「choroko(チョロコ)」を開催。

その中の、様々なジャンルで活躍する50人からコメントを募った
「50人の言葉展」に海南監督も参加しています。





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優しい風に吹かれながら、 

流れる雲を、 

幼い息子と眺めているとき。 

この地球の(ほし)のどの空の下でも、 

同じような幸せな時間が続くこと。 


         海南友子


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展示期間の9月5日から 10月17日の間に、さまざまなワークショップも開催されますので、この機会にぜひお出かけください。




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【会場・期間】2014年9月5日(金)〜10月17日(金)
ifs 未来研究所 未来研サロン WORK WORK SHOP

〒107-0061東京都港区北青山2-3-1 CI プラザ 2F
東京メトロ銀座線 外苑前駅 4a出口より徒歩2分

Tel:03-3497-3000 FAX:03-3497-3990
営業時間:月~金曜日 11:00~19:00
※土日祝休み
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